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3 デジタル遺産とは?SNSアカウントや暗号資産の相続対策
スマートフォンやパソコンを使う人が増える中、相続においても「デジタル遺産」という新しい問題が注目されています。デジタル遺産とは、SNSアカウントや暗号資産など、インターネット上にある財産やデータのことです。これらもきちんと相続対策をしておかないと、後々家族が困ってしまうことがあります。この記事では、デジタル遺産について詳しく解説し、その対策についてご紹介します。
デジタル遺産とは?
デジタル遺産とは、インターネット上で管理されているデータや資産のことを指します。以下のようなものがデジタル遺産として挙げられます。
- SNSアカウント
FacebookやInstagram、Twitterなどのアカウントは、故人が亡くなった後も残り続けることが多いです。 - 暗号資産
ビットコインやイーサリアムといった暗号資産(仮想通貨)は、特に価値のあるデジタル遺産として扱われます。 - オンラインバンクの口座
ネット銀行や、ペイパルなどのオンライン決済サービスもデジタル遺産に含まれます。 - その他のデジタル資産
クラウドに保存したデータ、サブスクリプションサービスのアカウント、電子書籍や映画の購入履歴なども含まれます。
これらのデジタル遺産は「デジタルエステート」とも呼ばれ、現代ならではの新しい相続対象となっています。
デジタル遺産の相続対策が必要な理由
デジタル遺産は物理的な資産とは異なり、管理やアクセスが難しいことが特徴です。以下の理由から、デジタル遺産にも相続対策が必要とされています。
- パスワード管理の難しさ
デジタル遺産はIDやパスワードによって保護されています。故人のパスワードを知らなければ、アクセスが困難になります。 - デジタル資産の保護が不完全
多くの人がデジタル資産について家族に知らせず、必要な情報が残されていないことが多いです。そのため、相続時に把握しづらくなります。 - 法的リスク
デジタル遺産を無断で操作することは、場合によっては法的な問題を引き起こす可能性があります。例えば、勝手にSNSアカウントを削除したり、暗号資産を取り扱うと、トラブルにつながることもあります。
デジタル遺産の相続対策としてできること
デジタル遺産に関して、家族が困らないための対策には以下のような方法があります。
- 遺言書にデジタル遺産を含める
まず、遺言書にSNSアカウントや暗号資産、オンラインバンクの情報などを含めることが大切です。これにより、家族がデジタル遺産の存在を把握しやすくなります。 - パスワード管理を徹底する
パスワード管理には、パスワードマネージャーを使用すると便利です。このツールには、パスワードを一括管理する機能があり、信頼できる家族に引き継ぐことも可能です。 - デジタルエステートのリストを作成する
自分のデジタル遺産がどこにあるか、一覧にしてリストを作成しておくと便利です。SNSアカウントや暗号資産、オンラインバンクの口座情報などを整理しておきましょう。 - 専門家に相談する
暗号資産やSNSアカウントについては、法律や規約が複雑な場合もあります。信頼できる専門家に相談して、適切な対策を講じることが安心です。
デジタル遺産を含む遺言書のポイント
デジタル遺産を遺言書に含める際は、特に以下の点に注意しましょう。
- 具体的な内容を書く
遺言書には、各SNSアカウントや暗号資産の種類を具体的に記載します。例えば、「Facebookのアカウントは削除する」「ビットコインは〇〇に譲渡する」など、具体的な指示が必要です。 - 信頼できる人に管理を任せる
デジタル遺産の管理には、信頼できる人を選びましょう。暗号資産の管理は特に慎重に行う必要があります。相続手続きや削除依頼など、必要な作業を託せる人がいると安心です。 - デジタル資産の保護方法も記載する
暗号資産のウォレット情報や、SNSアカウントのパスワード管理方法なども、遺言書に記載しておくとスムーズです。
家族のためにデジタル遺産を準備しておく
デジタル遺産の準備を行うことで、家族は安心して相続手続きを進められます。デジタル遺産の相続対策はまだ新しい分野ですが、現代の生活には欠かせないものです。以下のような対策を行い、家族が困らないようにしておきましょう。
- パスワードの共有方法を考える
家族が信頼できる形でパスワードを共有できるよう、方法を考えておくことも大切です。 - 遺言書に記載することで意思を示す
どのようにデジタル遺産を扱ってほしいか、遺言書にしっかりと意思表示を行いましょう。 - デジタルエステートのリスト作成
所有するSNSや暗号資産などを一覧にし、家族に残しておくことで、デジタル遺産の管理がスムーズになります。
まとめ
デジタル遺産は、時代と共に重要度が増してきている新しい相続の対象です。SNSアカウントや暗号資産のように、相続時にトラブルが起こりやすい資産をしっかりと管理し、家族が困らないように準備を整えておきましょう。専門家と相談しながら計画を立てると、より安心です。
家族の承継をお手伝いします
田原行政書士事務所
行政書士 田原 公生
北九州市八幡西区幸神4丁目7-10