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5.相続放棄とは?知っておくべき手続きと注意点
相続が発生すると、遺産を受け継ぐだけでなく、負債も引き継ぐ可能性があります。そんなときに役立つのが相続放棄です。相続放棄をすることで、財産や借金をすべて受け取らないという選択ができます。この記事では、相続放棄の基本的な手続きや注意すべき点について、わかりやすく説明します。
相続放棄とは?
相続放棄とは、相続人が被相続人(亡くなった人)の遺産や負債を受け継がないと決めることです。相続を放棄することで、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(借金や負債)も引き継がずに済みます。
相続放棄を選ぶ理由
相続放棄は、主に以下の理由で選ばれることが多いです。
- 負債の相続を避けたい
亡くなった人に借金や未払いの債務がある場合、その負債も相続することになります。もし、負債が財産を上回っている場合は、相続放棄をすることで負担を回避できます。 - 知らない借金があるかもしれない
被相続人が自分でも知らない借金を抱えていた場合、相続放棄を検討することで予想外の負債を避けることができます。
相続放棄の手続きの流れ
相続放棄は、一定の手続きを経て行う必要があります。ここでは、その流れを具体的に説明します。
- 相続放棄の意思決定
相続人は、遺産の全体像を把握し、相続するか放棄するかを決めます。この時点で、専門家に相談することも重要です。 - 家庭裁判所への申立て
相続放棄をする場合、相続人は家庭裁判所に申し立てを行います。これは遺産のある地域の裁判所に提出する必要があります。 - 相続放棄申述書の提出
相続放棄申述書という書類を家庭裁判所に提出します。この書類には、放棄の理由や相続人の情報を記載します。 - 審査と決定
裁判所が申述書を確認し、相続放棄が適切かどうかを審査します。通常、書類に不備がなければ放棄が認められます。
相続放棄の期限
相続放棄には、明確な期限があります。相続の発生を知った日から3ヶ月以内に手続きをしなければなりません。この期間内に放棄の手続きをしないと、自動的に相続を承認したとみなされるので、注意が必要です。
相続放棄のリスク
相続放棄をすることで負債を避けられる一方で、いくつかのリスクもあります。
- プラスの財産も放棄する
相続放棄を選ぶと、負債だけでなくプラスの財産もすべて放棄することになります。財産の一部だけを相続するという選択肢はありません。 - 他の相続人に影響を与える
一人が相続放棄をすると、他の相続人がその財産や負債を引き継ぐことになります。相続人が少ない場合、負担が増える可能性があります。
知らない借金がある場合の対処法
被相続人がどれくらいの負債を抱えていたかを正確に把握するのは難しいこともあります。特に、知らない借金が後から発覚するケースも少なくありません。この場合、相続放棄をしておくことで、予期せぬ負債を避けることができます。
相続放棄の手続きが難しい場合
相続放棄の手続きが複雑だと感じる場合や、期限内に対応できないときは、専門家に相談するのが最も安心です。弁護士や司法書士、行政書士がサポートしてくれます。また、複雑な遺産分割や相続問題が絡む場合でも、適切な助言を受けることでスムーズに進められます。
まとめ:相続放棄を検討する際の注意点
相続放棄は、負債を避けるための重要な手続きですが、そのためにはいくつかの注意点があります。以下のポイントを押さえて、正しく手続きを進めましょう。
- 手続きは3ヶ月以内に行う必要がある
- 家庭裁判所に申述書を提出することが必須
- 相続放棄をすると、すべての財産も放棄することになる
- 他の相続人に負担が移る可能性がある
- 知らない借金がある場合でも、相続放棄で回避できる
相続放棄は慎重に判断しなければならない大切な選択肢です。家族や専門家と相談しながら、最善の決定を行いましょう。
家族の承継をお手伝いします
田原行政書士事務所
行政書士 田原 公生
北九州市八幡西区幸神4丁目7-10